国内単身赴任で離ればなれの家族を補償する自動車保険の上手な契約の仕方
国内の単身赴任で家族が別居状態になった場合、自動車保険はどんな形で契約するのが賢いやり方なのでしょうか。
契約内容を変更する必要がある場合とそうでない場合がありますが、問題は誰が記名被保険者であるかということになります。記名被保険者というのは、「その車を主にを運転する人」のことです。
仮に夫が単身赴任で家を離れ、妻と子が残る場合で調べてみました。夫と妻が逆の場合もありますけど、だいたいこのパターンが多いですよね。
- 1.夫が単身赴任。車は家に置いてあるけど使わない場合
- 2.夫が単身赴任。車は残った妻・子が使う場合
- 3.夫が単身赴任&車も持って行った場合
1.夫が単身赴任。車は残しておくけど使わない
車は家に残しておくけれど、妻は全く運転しないなら、保険を一時休止状態にしておけばその間保険料を節約できます。
単身赴任の期間も決まっていて、戻ってきたら使う予定があるならこのパターン。
保険を中断するためには、一時的に自動車の使用を中止する一時抹消登録がされていることが条件になります。
※道路運送車両法第16条に基づく任意の抹消登録
とはいえ、単身赴任は1年に数回帰ってくるでしょうし、再開手続きなんかはめんどくさいですからね。そのままにしておくのが楽じゃないでしょうか^^;
2.夫が単身赴任。残った妻が車を使う場合
ここから先は少しややこしいですが、わかってしまえばなんてことはありません。けっこう当たり前の話です。
単身赴任前の時点での記名被保険者が夫なのか、妻or子どもなのかによって取るべき施策は変わってくので、順番に説明していきます。
夫が記名被保険者なら、妻or子どもに変更が必要
夫は単身赴任しているので当然運転する機会はほとんどありません。記名被保険者というのは、「主に契約車両を運転する人」のことですから、夫は「主に」運転する人ではなくなってしまいますね。
「主に運転する人」は妻か子供なので、記名被保険者をどちらかに変更する必要があります。
更に、妻に変更した場合と、子供に変更した場合とでは事情が異なってきます。一家の主である夫の補償内容が変わってくるんです。
妻を記名被保険者に変更
夫婦は同居・別居の有無は関係なく補償の範囲となりますので、変更以外に手続きは特に必要ありません。
子どもに記名被保険者を変更→運転者家族限定特約を外す&家族外も補償範囲に入れる
子どもが記名被保険者となる場合、別居している親は補償外になってしまいます。
ですから、運転者家族限定特約を外して家族外も保証範囲に入れる必要があります。
ちなみに、家族間の等級の引き継ぎですが、たとえ夫婦が別居していても、「妻」もしくは「妻と同居している子ども」への引継ぎは可能です。
次は、元々の記名被保険者が妻か子どもだった場合の対処方法ですが、基本的に上の例と同じ考え方です。
妻が記名被保険者ならそのままでOK
くどいようですが、「主に契約車両を運転する人」は妻のままで変わりないので、特に変更することはありません。夫婦間は補償範囲内ですので、夫がたまに帰って来て運転することがあっても大丈夫です。
子どもが記名被保険者の場合は、補償範囲を家族外まで広げる
別居の親は補償範囲外なので、夫が帰って来たときに車を運転する機会があるのならば、運転者家族限定特約の範囲を家族外に変更する必要があります。
3.夫が単身赴任&車も持って行った場合
地方へ転勤になった場合、大概は通勤にも自動車を使うので、車をそのまま持っていくことが多いでしょう。
この場合は、「主に運転する人」は夫です。記名被保険者は夫、紛れも無く夫ですね。間違えようがありません。
妻や子供がたまに単身赴任先に遊びに来て車を運転することが想定されるなら、運転者家族限定特約を「家族限定」すればOKです。
当たり前ですが、単身赴任前から夫が記名被保険者であれば特に契約内容を変更する必要はありません。妻or子どもだった場合は変更手続きをします。
妻が記名被保険者だった場合、夫へ変更
記名被保険者を夫へ変更します。夫婦間で補償されます。あとは運転者家族限定特約を「家族限定」にします。
子どもが記名被保険者だった場合、夫へ変更
妻の場合と同じです。夫へ変更して運転者家族限定特約を「家族限定」にします。
等級の引継ぎに注意
家族間の等級の引継ぎは同居の親族である事が条件です。ですから、単身赴任をしてしまった後では等級を引き継げません。単身赴任が決まったら迅速に等級の引継ぎ手続きをして下さい。
まとめ
とにかく、「主に車を運転する人」を記名被保険者にすること。そして、単身赴任の夫も補償範囲にするための手続きを取る。これだけです。
基本的に夫婦間で記名被保険者を移動する分には難しいことはありませんが、子どもが絡むと補償範囲が変わるので注意です。等級の引継ぎも遅れないように気をつけて下さい。
2016/06/16